ときどき阿修羅!!
「お?」と斜め後ろを見上げると。

 タタタ、タマキさん!?

「ふーん。タマキって、女っ毛ないと思ったらそーゆーことぉ。ふーん」

 そーゆーことって、あーゆーことだよね!?

 キャーキャーキャー!!
 この感じってアレだよね!?

 乙女だったら誰もが夢見るアノ展開だよね!
 恋に恋しちゃって回りが見えない男女3人のアレだよね!

「うん。そーゆーこと」

 ナ、イ、ト!

 聞きました? 奥さん!
『うん』ですって!

 あれ? タマキさん、白馬はどこ?

 私、絶対白馬がいいです!
 絶対白馬派です!
 ポルシェなんて、軟派な乗り物はナンセンスです!

 あ、でも、フルスモークのベンツは良しとします!!

「へえ。タマキが好きなのは鉄だけじゃなかったんだねえ。
認識の違いってやつ?」

「ユキ、おれ、練乳も好きだよ。
あと、はちみつも、三温糖も、角砂糖も、氷砂糖も、細長い紙袋に入ってるやつも好き」

 ……最後のほう、全部砂糖だから。

 っていうか、全て、直でイっちゃいけないやつじゃないっすか?

 ちなみに、1番最後のそれ、シュガースティクだと思います。

「……そーゆーこと、ね。
兄ちゃん、寂しいじゃないの」とユキミさんは、鼻の付け根を摘む。

「……ユキミ、お前いつからタマキの兄貴になったんだ?
なんのマジックだ。お前らタメだろ」

「そこはあれだよ、律。双子設定だ。
な、タマキ」

「え? うん」

「設定とか言うな。
つーか、タマキもそこで返事すんな」

 ええと、あの……。

 そーゆーことってどーゆーこと?

 なんて、今更聞きづらいよね、うん。
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