ときどき阿修羅!!

「律、イントネーションがちがう。
『さ』にアクセントをつけて流れるように!
ちゃんと発音しないと佐々木さんに失礼だぞ」 

 うんうん。ユキミさん、いいこと言った!

「そうですよ、リセさん。
何でも、佐々木さんは地獄耳って噂ですからね。
気をつけないと、リセさんも……」

「だから、佐々木さんって誰!?
というか、唯ちゃん、その後が気になるんだけど!
イントネーション間違った人、どうなっちゃったの!?」

 おお!!
 リセさんのツッコミって、なぜかわからないけれど――。

 カ、イ、カ、ン。

「唯、よだれ垂れてるけど……メープル練乳ほしかった?」

 は!!
 あまりに快感で、よださんがこんにちはしちゃった。

 タマキさんは、「ひとりで飲んじゃってごめんね」と手を伸ばして私の頭を5回撫でた。

 うきゃー!!
 これは、世に言う「アイシテル」のサインですよね!!

 はい! 私もアイシテます!!
 今のよだれは違うんです!

 ちょっとリセさんのツッコミのテクに翻弄されただけで――

「タ、タマキさん!!
私、浮気なんてしませんから、心配しないで下さい!」

 そして、メープル練乳ってなんですかあぁ!?

「そう? おれは、はちみつ練乳のほうが好きだけど」

 は、はちみつ練乳に負けた……?

「あはは。可愛い唯ちゃんは、タマキが好きだったのかあ。
若いねえ。青い春を謳歌したまえ」

「ユキミ、お前、いくつだよ。
所帯もったおっさんか」

 
< 43 / 101 >

この作品をシェア

pagetop