ときどき阿修羅!!
「この歳になると、体を許しあえる女の子は上限なく増えるけど、気を許せる男友達はなかなか見つからなくってね」

 いや、そこは、節度を持って絞りましょうよ、大人として。
 とは、さすがに言えないけど。

「律の懐がでかいのか、それともタマキが気を使っているのか。
目に見えないところ、絶妙なバランスで成り立ってるんだ」

「気を使ってる……?」

 言っちゃあ悪いけど、あれで?

 全くもってそんなふうには見えませんでしたよ。

「いろいろとあるんだよ。
僕が律だったら、きっとあんなふうにタマキに接することなんてできないね」

 ユキミさんは、ハンドルに腕を重ねて乗せ、その上に上半身を預けた。

 そしてフロントガラスの真上を覗くように、空の茜を見上げる。
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