ときどき阿修羅!!
「確か、3日前に作ったドレッシングが冷蔵庫の中に入ってたと思うから、唯ちゃん、ちょっと待っててね」

「はい、すいません……」

 リセさんが居間から出て行くのを見計らったようにユキミさんが「唯ちゃん」と私の肩を2回叩いた。

「唯ちゃん、なに飲む?」

 そういいながら、ずらりとアルコール飲料らしき瓶を畳の上にずらりと並べた。

「ええと……私、お酒、まだ飲めないんですけど……」

「唯ちゃん、なーに言ってるの? これ、ジュースだよ」

 いやいや、どうみてもカクテル系のお酒ですよね、それ。
 そのあからさまな嘘はなんですか?

「あ、ユキ、その一番左のやつ、おれに頂戴」

「タマキ、駄目じゃないか。まずは女の子からって、いつも言っているだろう?」

 そう優しく諭すユキミさんから、タマキさんはぷいっと顔を背けた。

 なぜ!?
 その辺の女がやったらイラっとくること間違いなしの仕草なのに、タマキさんがやると果てしなく可愛く見えるのはなぜなの!?

「やだ。唯には飲ませない」

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