ときどき阿修羅!!
「タマキ、そんな小学生みたいな意地悪は言わないの」

 苦笑いするユキミさんに、今度は真剣な顔を向けて「唯は」と口を開いた。

「唯は、おれの大切な弟子なんだ。親御さんからお預かりしてるんだよ」

 タマキさん……。

 そうですよね。アルコールなんて、高校生は駄目ですよね。

 はう。

 カ、カ、カ。

 カッコ――

「睡眠薬入りのジュースなんか飲ませちゃだめだ」

 ィイイー!?

 睡眠薬!?
 しかも、カクテルってことには気づいてないの、タマキさん!?

「なんだ、バレてたか」

 バレてたか、ってアンタアァァ!!

 いたいけな女の子になにさらそうとしとんじゃぁぁ!!

「唯は、こっち」

 タマキさんは、3センチ角にえぐり出したアイスをグラスの中に放り込む。

 って、まさか……。

 そこにとっぷんとっぷんと焼酎注入。

 そして、私の目の前に、その不可思議な液体が入ったグラスをとん、と置いた。

「焼酎ロック」

 あぁぁぁぁぁ……。
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