ときどき阿修羅!!
「あの……」と店主が苦笑いを私に向けた。

 あ、まずった。
 この店主、思ったよりかっこよかったから見入っちゃった。
 私の悪い癖。

「ちょっと、訊きたいことがあるんです!」

 力んでしまい、声が裏返ってしまったことは、この際置いておく!

「なんですか?」

 店主は、顔を少し傾けて柔らかく微笑んだ。
 真綿のような、わた飴のような、脱脂綿のような。あ、脱脂綿はなんか違うか。

 とにかく訂正!

 上の下!

 この笑顔、すごくイイ。

「あの……さっき、テレビにこの店映ってましたよね?」

「ん? ああ、さっき、インタビューされましたけど」

「その時!!
テレビの端っこに映ってた死ぬほどカッコイイ人!!
インタビューされる前に仲良さそうに喋ってましたよね!?」

「え、え? あ……タマキのことかな?」

 タマキ!!
 ……名前? 苗字?
 まあいいや、とにかく名前、ゲットオォ!
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