ときどき阿修羅!!
「あー、めんどくせ」
やっと私の耳に届くくらいの大きさでそう呟く。
……ほんと、性格悪いな、阿修羅な方のタマキさん。
はっきり言うか、それとも心の中でそっと言うか、どちらかにしていただけませ――とまで腹の中で悪態をついていると、タマキさんは私の背後に回った。
そして、私の後ろで座った気配。
うん、気配だけ。怖くて振り向けないもの。
振り返ったら魂持っていかれちゃうよ、って怪談のあの感覚。
「刀工になりたくて、刀の手入れもできねえなんてどういう事なんですかねえ」
ぞくり。
嫌味たっぷりなのに妙にあだめいた声色が聞こえたと同時、暖かい吐息が耳にかかった。
首筋が強張る。
急に心臓が打楽器になりやがった!
その、近いんです!!
近すぎやしませんか!?
いくら阿修羅の性悪タマキさんでも、あの素敵タマキさんと同一人物。
私が横向いたら、もうそれだけでちゅー出来ちゃう距離にいて。
でも、今は、性悪タマキさんで、私が恋してるのは素敵タマキさんであるからして。
……だあぁぁ!!
わけわかんなくなってきたぞ!!
ときめいて高鳴っているのか、恐怖にバクバクしているだけなのか、どっちなんだい、私の心臓君!!
「――てめ……聞いてんのか、よ!」
「い゛!!」
後頭部を硬いもので小突かれてガックン。
ぐわんぐわん揺れる脳の狭間を、女の子の後頭部殴るってアリですか、の文字がゆっくりとスクロールしていった。
やっと私の耳に届くくらいの大きさでそう呟く。
……ほんと、性格悪いな、阿修羅な方のタマキさん。
はっきり言うか、それとも心の中でそっと言うか、どちらかにしていただけませ――とまで腹の中で悪態をついていると、タマキさんは私の背後に回った。
そして、私の後ろで座った気配。
うん、気配だけ。怖くて振り向けないもの。
振り返ったら魂持っていかれちゃうよ、って怪談のあの感覚。
「刀工になりたくて、刀の手入れもできねえなんてどういう事なんですかねえ」
ぞくり。
嫌味たっぷりなのに妙にあだめいた声色が聞こえたと同時、暖かい吐息が耳にかかった。
首筋が強張る。
急に心臓が打楽器になりやがった!
その、近いんです!!
近すぎやしませんか!?
いくら阿修羅の性悪タマキさんでも、あの素敵タマキさんと同一人物。
私が横向いたら、もうそれだけでちゅー出来ちゃう距離にいて。
でも、今は、性悪タマキさんで、私が恋してるのは素敵タマキさんであるからして。
……だあぁぁ!!
わけわかんなくなってきたぞ!!
ときめいて高鳴っているのか、恐怖にバクバクしているだけなのか、どっちなんだい、私の心臓君!!
「――てめ……聞いてんのか、よ!」
「い゛!!」
後頭部を硬いもので小突かれてガックン。
ぐわんぐわん揺れる脳の狭間を、女の子の後頭部殴るってアリですか、の文字がゆっくりとスクロールしていった。