ときどき阿修羅!!
「アホ面」

「え……?」

 気がつけば、私を混乱のどん底に突きとした笑顔を消えていて、超至近距離に整いすぎた真面目な顔。

「おめえの顔、視界に入れたくねえんだけど」

 は?
 言っている意味が掴めず、頭の中で反芻すること2回。

 タマキさんの口角がくっと上に上がる。

「だから、前、向いとけ」

 ハアァァ!?

 酷っ!!
 酷すぎませんか!?

 視界に入るだけで駄目なんですか!!

 むーかーつーくー!!

 何この人!!
 自分の顔がイイからってね、そういうこと言っちゃいけないんだー!!

 ……とは、言えないんで、悔しさをかみ殺して前を向く。

「手ぇ震えてるぜ」

 刀を握った手に力が入りすぎて、プルプル震えてる手に視線を落とす。

 ほお……人間、怒りを堪えすぎると、無意識に手が震えるんだぁ。

「もしかして、怒ってんの?」

 あ、た、り、ま、え!!

 あんなこと言われて、怒らない女がいたら、ここにつれてきやがれってんだ、チクショー。

「ぷ。震えが大きくなってやんの。
あははは、やっぱ、おもしれえ」

 耳元でケラケラ笑うタマキさん。

 やっぱって何よ、やっぱって。

 楽しそうで何よりです、お師匠様。
 私はそろそろ怒りの臨界点、ぶち抜きそうなんですけど、ね!!
 

 


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