ときどき阿修羅!!
 タマキさん、下向いて、私がエルボーをくらわした腹部を片手で押さえてフリーズ。

 そして、忘れちゃならない。タマキさんの傍らには、一本の刀が。

 あ……。

 あぁぁぁぁぁ……。

 や、やっちまったぁぁぁ!!

 やば……い?

 怒ってます……よね?

 ひぇぇぇ、肩を震わせてらっしゃるじゃあ、ございませんか!!

「……くく……」

 九九?
 九九は81ですよって、そうじゃないですよねーっ!?

「くくく……」

 わ、わらってるぅぅぅ……。

 阿修羅なタマキさんって、怒りが頂点に達しちゃうと、笑っちゃう方の人種?

 早いとこ逃げ――足が痺れて立てないしぃぃぃ!!

 罠!?
 足を痺れさせて、いざというときに逃げ出せないように正座させられてたトラップですか!?

「ハハハハハ!」

 びっくーん!
 って頭の中にゴシック白抜き文字がどすんと落ちてきなすった!!

「ハハハ、唯、お前おもしれえな!」

 あ、私おもしろいっすか? あざーす!
 ……って何が!?

 頭のほとんどをキョトンが占める中、タマキさんは、笑いすぎで涙が滲む目を擦る。

「くく……なるほどな。一方的じゃあ駄目ってことかい。
今度のは、ちとひねた根性してやがってよ、力でねじ伏せりゃあいいと思ってたんたが――」

 なにやらいつの間にかご機嫌なタマキさんは、膝を打って立ち上がった。

「ものは試しで明日の晩は、声に耳を傾けてみるとしますか、ね」と白い歯を見せて、私に手を差し伸べた。

 ……だから、何が!?
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