ときどき阿修羅!!
釣浮草が如く


 *****

 チチ。チチチ。

 鳥? 朝……?

 鳥のさえずりで目が覚めるなんて、初めて……。

 あー、あぢぃ。
 また、お母さん、エアコンきりやがったな。

 生ぬるい風が頬を撫でる。

 風って。エアコン切ったんじゃなくて、設定温度あげたってわけですかい。
 嫌がらせ?
 夏真っ盛りに温風って……。

 ふぬぬぬ。ふあぁ。
 森林にいるみたいな木のいい匂いがする。

 ……って、木のいい匂い!?

 はっと、目を開ければ、見慣れぬ木目の天井。

 ど、どこ!? ココ!!

 今まで寝てたのが嘘みたいに、頭の中がぐるぐるとモーレツに回転。

 汗で首に張り付いた髪の毛を手の平で払いっていると、左手に違和感を覚えた。

 ゆっくりと顔を左に向ける。

 左肩から、伸ばして布団から突き出た腕の先端に視線を走らせる。

 ぎえ!!

 ド、ドラえもん!?

 左腕の先端には、メロン大の球体が装着されていた。

 あっれぇぇぇぇ!!
 私の左手ってドラえもんだったっけ?
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