ときどき阿修羅!!
ええええ!?
ちょっと、たんま、タイムタイム!!
私は世界中のあらゆる偉い人達にしばしの休憩を要請して、もう一度、左手を見やる。
良く見ると、国民的アニメの知能的なロボットのそれだと思っていた左手は、なにやら包帯でぐるぐる巻きになっている様子。
そして、その左手は、畳から一段高いところに位置しているようだ。
何かの上に置かれている。
この台座の生地。
凄く見覚えがあるような気がするよ、私。
昨晩、この生地を纏った方に、酷いことをされたような気がするよ、私。
ごくりとカラカラになった喉を潤して、おそるおそる視線を持ち上げる。
…………て。
天女!?
そこには、確かに、阿修羅と同じ浴衣を御身に飾った天女が存在していた。
横に傾いた首。さらりとした黒い毛先が頬にかかり、きつく閉ざされた目元を縁取る濃く長いまつげ!
そして、伸縮性のありそうな純白の細い布が何重にもその身から妖しく垂れ下がっている。
神々しすぎる! そしてビューティホー!!
って、タマキさんですよね!?
ちょっと待て、クールダウンするのだぞ、唯。
状況把握、状況把握。
壁に寄せられるように敷かれた布団に寝ている私。
壁に寄りかかるように座って寝てらっしゃるお方は、天女みたいだけど違う、タマキさん。
タマキさんの膝の上にあるメロン大の球体は、包帯ぐるぐるまきの私の左手。
……はて。