ときどき阿修羅!!
 日本刀を忘れるってナニゴト?

 つうか、それ、ニセモノですよね……?

 もしも、モノホンだとしたら。

 まさかまさか、上の上の君ってアッチ系?
 お祭りでもないのに浴衣着てたのって、アッチ系だからなの!?

 イケてる我が子どころか「○代目!」って呼ばれて、高級料亭やら、屋形船やらを借り切って襲名式なんぞをやっちゃうような、アブない我が子になっちゃう?

 はっ!
 そうしたら「弟子」って言うのはただの隠語で、本当は若い衆とかなんとか呼ばれる準構成員ってやつだったりする?

 リアル極妻!?
 志麻姐さんやん!!

 ああ、こんな事なら、極妻全シリーズ観ておくんだった……。

「え、ええと……大丈夫?
青くなったり、目が輝いたり、うなだれたりしてたけど……」

 店主さんは、バケツを作業台の横に並べる。

「え? あ、はい!
もう、ばっちりです。
姉御って呼ばれる覚悟はできました!」

「……は?
あ、ああ、そうなの……。
そ、そうそう、名前! 名前まだ聞いてなかったよね?」

 あれ? 店主さん、心なしか顔が引き攣ってるような……?
 きのせいか。

「立野唯です!」

「唯ちゃんね。俺は、藪之内律犀。
大変だと思うけど、タマキのことよろしくね」

 『ヤブノウチ』が苗字で、名前が『リッセー』

 ……ピンクの目薬。
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