ときどき阿修羅!!
「ターマーキーさん!! どいてくださいよー」

「んん……りっちゃんのいじわる……おれ、眠いの……」
 
 この人、まだ私のことリセさんだと思ってやがるし、起きる気配ゼロだし。

 あ!! そうだ。いいこと思いついたぞ。
 いや、でも、無理だろうな。っていうか、これで万が一起きたらなんかヤダ。

「うーん……わたあめ……りんごあめ……そーすせんべいは、あんずじゃむ……」

 お祭り!?

 タマキさんは、なんの夢を見ているのか簡単に想像がつく寝言を呟きながら、私の顔をさらにぐっと引き寄せる。

 耳に湿ったものが這う感覚。ぞわわわと背筋が粟立つ。

「ひぃぃぃ!?」

 さらに、ちうぅぅぅ、と水っぽい音がダイレクトに脳細胞を刺激。

 ふぅあわわわわ。

 舐めてる!! タマキさん、私の耳、りんごあめと勘違いしてるって絶対!!

 ええい! 背に腹はかえられないぜ、チクショー。

「タマキさん、見て!! あそこに練乳の湖が!!
うわーすごいですよもうこれは飲み放だ――」

「え!? どこどこ!?」

 タマキさんは、ガバッと物凄い勢いで起き上がり、そして、なぜか、私の上半身も連動して起き上がる。

 ええええ!?
 何故!?
 いろんなところが、なぜっ!?
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