無い物ねだり
彼の腕は男らしく、しっかりしていた。いつも明るくチャランポランに生きている彼からは想像もつかないたくましさだ。とても頼りがいがある。少し高めの体温も心地良い。『漆原!漆原!』と必死になって名を呼ぶ声が聞こえれば、嬉しくて夢なら覚めないで欲しいと思った。
意識は、そこで途絶えてしまった。
意識は、そこで途絶えてしまった。