無い物ねだり
「涼ちゃん、その問題わからないの?」
「う、ううん。ちょっと考え事していただけ」
しかし今は勉強中。だいたいわかるようになってきたが、事態がせっぱ詰まっている事には変わらない。この件の解決もテストが終わるまで待つことにした。
 残りの三日間、私達は私のクラスの教室を除いて勉強会を開いた。二度と片平と会いたくなかったから。おかげで、有意義な放課後を送れた。
 当然、テストの出来も良かった。卒業へ一歩近付いたのはもちろん、夏休みは無事、部活に専念できそうだった。
 新山は、少しやつれたように見えた。
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