ふ しあわせの手紙
「ゆきちゃん、ごめんね。」

紙を手にしたまま靴に履き替え、ゆきちゃんの元へ急ぐ。

「靴上手く履けなかったの?」

「んーん。あのね、下駄箱に紙が入ってたの。」

ゆきちゃんが不思議そうに、私の手元を見る。

「なぁに?」

「わかんない。お昼休みに運動場で遊んだときには無かったよ。」
ゆきちゃんは帽子の伸びきったゴムを摘んで伸ばして離し、伸ばしては離し遊びながらも紙をじっと見ている。
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