キズナ
「林さん、あのお話が…」
「ごめん、後でいい?今忙しいんだ」
そう言い、彼は立ち上がって行ってしまった。
しばらく優香は立ち尽くしていた。
話も聞いてくれないなんて、嘘でしょう?
プレゼンの資料を確認してもらいたかったのに。
優香は営業部の机を見た。
一人はもうすぐ定年退職するやる気のないオヤジ。
もう一人は年は智一と同じだが全く頼りない。
成績も自分以下。
さらにもう一人は仕事は出来るが、女の優香を目の敵にしている嫌味な奴、藤井しかいない。