キズナ

「…この間の、妹さんとのことなんだけど」

「本当に何もないんだ。信じて欲しいとしか言いようがないけど、僕は優香しか考えられないから」

そう智一は言った。

「…ありがとう…私の方こそ、疑ってごめんなさい。信じるわ、智一のこと」

「…優香…」

ほっとした様に、ようやく智一はワインを飲んだ。

「…あ~良かった…信じてくれなかったらどうしようかと思ったよ」

「じゃ、仲直りの乾杯」

「ああ、乾杯」

グラスを合わせて、微笑んだ。

< 79 / 149 >

この作品をシェア

pagetop