『バカ』って言ってよ。
「ようっ!!ルナ☆」
そんなとき、ケンが何にもなかったように、言った。
「……ケン…。」
私は、いつものようには、できなかった。
すると、
「ケーンっ☆そのコ誰ぇ?」
目がクリクリしてて、
唇がプルプルしてて、
髪がフワフワしてる、
私とは、比べられないような、
とても可愛い女の子が
ケンの後ろから、顔を出して言った。
「マイっ!……ぇ、えっと…。」
見るからに、慌てているケン。
「可愛い彼女さんだねっ♪」
涙を堪えて、精一杯の笑顔で言った。
「なんで教えてくんなかったのー!?
あー!私も彼氏ほしー!!」
バレないように、精一杯、明るく振る舞った。
「ルナ……。」
……でも、
そろそろヤバいかも。
「じゃっ!!お幸せにー☆」
私は、そう言って………
逃げた。