ロマンの王様


私はドキドキして顔が熱くなる。


龍は相変わらず、私に近寄る。



「やっべー。俺、愛花気に入った」


「…へ!?」


「今日から覚悟しとけよ」



それだけ言って、教室から出ていった。


気に入った…??

覚悟しとけ…??


私は間近で見た龍の顔を思い出した。

すると、顔がボッと赤くなる。



「ねぇ、早乙女さん」


「…はい??」


「さっき、王子と話してたよね??」


「王子…??」



何を意味の分からないことを。

王子ってなんすか、王子って。



「王子知らないの??

…西園寺龍之介!!」


「…へ??」


「龍は王子なの!!」



私はそのまま呆然としていた。


目の前の女の子は、焦っていた。


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