俺だけの愛しい妹
2:俺の妹
『お兄ちゃん大好き!』
そう俺に言ったのは、いつだろうか。
まだ結菜が小さい頃、父と母を亡くし、泣き続けていた。
そんな結菜を、俺は大事に育てた。
たった一人の“妹”。
きっとそんな思いもあったんだと思う。
だけど、今あるのは、“愛”だけ―――……
結菜の部屋に入ると、まだベットで寝ている。
幼さが残る寝顔は、俺の愛しい妹。
今すぐにでも、抱きしめそうになる。
俺はその感情をぐっと堪え、
「結菜、早く起きないと学校遅れるぞぉ」
いつものようにカーテンを開ける。
眩しそうに目を細め、布団に潜り込む。
そんな妹を、俺はゆすった。
「ほら、起きろ」
10回くらいゆすったあと、やっとベットから出てきた。
まだ眠たいのか、寝ぼけている。
そんな姿でさえ、可愛いと思ってしまう。