俺だけの愛しい妹
順番を待つ間、ドキドキと心臓が鳴り止まない。
いや、鳴り止んだら死ぬんだけど……
足はがくがく震え、汗が噴出している。
「大丈夫か?顔色悪いぞ」
心配してくれたのは、田口。
「大丈夫。ちょっと、ドキドキしちゃって」
そう言うと、田口は俺も、って笑った。
全然そう見えない。
きっと、あたしに気をつかってるんだろう。
そう思ったけど、笑顔に少しときめいたんだ。
「あー、怖かった!!」
そんな台詞を言っていても、楽しそうな芽衣ちゃん。
一方、あたしはというと、
「………もう嫌」
半泣き状態。
ほとんどなにがなんだかわかんなかった。
いつの間にか終わってた感じ。
「大丈夫か?」
また心配してくれる田口に、笑顔で
「平気だよ」
って言った。
それに安心したのか、田口も笑った。