俺だけの愛しい妹
目の前にいるのは、『いつも』のお兄ちゃん。
だけど、
雰囲気とかが、なにか『いつも』と違う。
怖い。
あたしは直感にそう思った。
掴まれている腕を振り払おうとしたが、お兄ちゃんの力にはかなわない。
「お兄ちゃん、痛い……」
そう訴えても、掴む腕はゆるくならなかった。
「なにしてたの?」
やっと開かれた口から出てきた質問。
「え?」
「さっきまでどこでなにしてたの?」
お兄ちゃん?
「友達と、遊んでたんだよ……?」
怯えながらも、あたしは答えた。
「友達って?誰??」
「お兄ちゃん?」
「誰と行ったの?」
あたしの質問を無視するお兄ちゃん。
怖い。
どうしたの??
いつもの優しいお兄ちゃんじゃない。