俺だけの愛しい妹
俺は怪しまれないように、先に家へと帰った。
憎い
いや、そんな感情だけじゃ表しきれない。
俺の大事な妹。
本当は2人で行く筈の遊園地。
なんで『それ』と行くんだ。
『それ』に向けていた笑顔。
俺の知っている顔だが、いつもと違った。
あんなやつに、そんな顔をしなくていい。
俺だけに向けていればいい。
俺だけ愛せばいい。
もう、俺の思考回路は狂っていた。
10時を回った頃だろうか。
玄関のドアの音がし、ノックされて俺の部屋。
結菜か。
なにも返答をしない。
2度目のノック。
それも無視した。
諦めたのか、2階へあがる音がした。
それを聞いて、俺はドアを開けた。
楽しい時間の、幕開け―――…