俺だけの愛しい妹
「お兄ちゃん、ごめんね。今日、こんなに遅くになると思わなくて」
申し訳なさそうに謝罪する結菜。
結菜、お前は悪くないんだよ。
悪いのは、お前をそそのかした『それ』。
だからこそ、お前をめちゃくちゃにしたいんだ。
「お兄ちゃん?」
なにも言わない俺に、結菜は問いかける。
部屋を出て行こうとする結菜の腕を掴んだ。
掴んだ部分が熱い。
もうこの時点で理性は飛んでいた。
あるのは、『欲望』だけ……
怯えた表情をする結菜。
なんでそんな顔をするの?
振り払おうとするが、俺はそれを阻止した。
「なにしてたの?」
「え?」
聞き返す結菜に、俺はもう一度聞いた。
「さっきまでどこでなにしてたの?」
「友達と、遊んでたんだよ……?」
「友達って?誰??」
怯える表情。
俺は正直に言ってくれると思っていた。
だが、
「芽衣ちゃんと、遊園地に……」
嘘をついた。
なぜ『それ』の存在を言わない。