俺だけの愛しい妹

乱れた服に、流れ出る『あれ』。

もう、壊れてしまった。

関係も、体も心も、なにもかも―――


「このことは、誰にも言っちゃ駄目だよ。言ったら、お仕置きだから」

優しい声で囁かれた言葉。

優しいからこそ、恐怖が溢れていく。

“お仕置き”。

頭を埋め尽くしていく、その単語。


きっと、いや……言ったらこうなるんだ。

もっとひどいかもしれない。

なんで?

なんで……


なんでこうなっちゃったの?

昨日までは、普通だったじゃん。

そう思ってたのは、あたしだけ?

お兄ちゃんは、もう普通じゃなかったの??


お兄ちゃんは静かに部屋を出て行った。

とりとめなく流れでてくる涙。

止まらない涙は、シーツをぬらしていく。


「………っ」

声を押し殺して。

苦しみを押し殺して、ただただ泣くしかなかった。

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