俺だけの愛しい妹
「ただいまぁ」
部活もなにもやっていないあたしは、真っ直ぐ家に帰った。
あたしより先に帰っているお兄ちゃんが、玄関まで来てくれた。
「おかえり」
優しく帰りを迎えてくる。
高校生だし、部活とかやっていいよ。って言ったのに、帰ってきて誰もいないのはかわいそうだから、部活はらないんだって。
どこまで優しいんだろう。
「着替えてきな。もう夕飯できてるから」
「はーい」
あたしは着替えを済まし、リビングへ向かった。
階段を下りる時点で漂う匂い。
今日はカレーライスだ!
テーブルに並べられた、カレーライスやサラダ。
「おいしそー」
「ほら、席座って」
お兄ちゃんの向かい側にあたしは座った。
「いただきます」
一口食べると、口いっぱいに『おいしい味』が広がった。
いや、おいしいのはもうわかりきってるんだけどね。