俺だけの愛しい妹
7:拷問という愛情表現
あたしの体に巻きつけられている紐。
どういうこと?
状況が飲み込めない。
頭が、理解しようとしていな。
笑うお兄ちゃん。
怖い。
「ねー、もう俺以外の奴と喋らない??」
“言葉”は入ってくるが、“内容”が入ってこない。
「喋らない?」
トーンが低くなり、再度聞かれる質問。
あたしはかろうじで、小さく頷いていた。
「ちゃんと結菜の声で聞きたいな」
「喋り、ません」
答えるしかなかった。
言葉だけでも、答えとけば……
「約束だよ。見られてないから大丈夫、なんて思っても、無駄だから」
なんて考えは甘かった。
悪魔がここにいる。
天使の顔をした悪魔が。
あたしは大きく首を上下させた。
なにをされるかわからない。
今以上のことが待っている。
なら、ほかの男と口を聞かないほうがましだ。
ただ、喋らないだけだ。
そんな難しいことじゃない。