俺だけの愛しい妹

「今日は俺の誕生日じゃん。一緒に祝おうって言ったじゃん」

眉毛を下げて言うお兄ちゃん。

は?

なに言ってるの??

今日が、お兄ちゃんの誕生日??

そんなわけがない。

お兄ちゃんの誕生日は12月。

「そうなの!?駄目じゃん結菜、帰りな!」

すっかり騙されている芽衣ちゃん。

嫌だ、と言っても、『お兄ちゃんの誕生日』と思い込んでいる芽衣ちゃんはあたしを無理やりお兄ちゃんに引き渡した。

「ご迷惑おかけして、申し訳ありませんでした」

深々と頭を下げるお兄ちゃん。

そのお兄ちゃんに、

「いいえ!また、遊びにきてね」

そうあたしに言う芽衣ちゃん。

気づいて!

あたしの気持ちにっ!!

「結菜、帰ろうか」

手を握られる。

離してっ。

出ない声で訴える。

「………っ」

外に出て、少し歩くとお兄ちゃんは豹変した。


「なぁ、結菜。どういうこと??」

優しい音色の声。

「なんで、すぐ帰ってこなかったの?」

怖い、助けてっ……


その思ったときだった。


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