俺だけの愛しい妹

誰かっ……

「抵抗、してみなよ」

縛られていた紐がほどかれる。

逃げるチャンス。

だけど、

あたしはなにもしなかった。

抵抗も、逃げるという行動も。

頭では“拒絶”しているのに、体は“要求”している。


「いいこだ」

再び同じことをやられる。

指が入ってくる。

「っ……んっ……」

なんで?

なんでこんな体になっちゃったの??

「結菜、ほんとは求めてるんだね」

そう言って、口に舌が入ってくる。

毎回同じことの繰り返し。

「お願い、してごらん?」

よくわからないことを言っている。

「してほしいんだろ?」

「お願い、します……」


言わないとなにされるかわからない。

もちろん、そういう気持ちもあったんだと思う。

だけど、違う。

本当に求めているあたしがいて、本当にお願いをしているんだ。


もう、なにもかも、

お兄ちゃんへと溺れていた………


< 59 / 98 >

この作品をシェア

pagetop