俺だけの愛しい妹

「!!?」

そんなの、無理に決まっている。

いくら、あたしが求めていたとしても、家にいればなにされるかなんて……


「ううん。そんなに酷くないから、学校は行くよ」

「ほんと?じゃぁ、朝食も食べれるよね??」


優しいこの言葉に、どれだけの“恐怖”が入っているだろうか。


「う、うん……」


お兄ちゃんは満面も笑みで

「よかった。席に座って」

怖い……

逆らえない。

あたしはおぼつかない足取りで、席についた。


食欲がなく、ほぼ無意識に口へと運んでいく。

味がしない……

味覚がおかしい。


「おいし?」

その質問に

「ん、おいし……よ」

こう答えた。


実際、味なんてわかんない。


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