俺だけの愛しい妹

「ううん。大丈夫だよ」

ほんと?ともう一度聞かれたが、笑って頷いた。

「なら、いいけど」

芽衣ちゃんは笑って歩き始めた。


芽衣ちゃん、ごめんね。

親友なのに。

言いたいのに、言えない……

ごめんね……


とうとう学校へ着いてしまった。

もう、見られているかもしれない。

どこで、誰が、何人?

疑問がいくつも出てくる。


もう、学校にいる人全員が見ているようで……

人間不信。


教室へ入り、自分の席へと着く。

「よう!」

朝から元気よく声をかける男子。

田口……

「おはよっ」

おはよう、ぐらい言いたい。

だけど、誰がどこで見てるかわらかない……

あたしが何も言わないでいると、田口は行ってしまった。


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