俺だけの愛しい妹
「え、なにも?」
それでも白を切るあたし。
だって本当のことを言ったら、なにをされるか……
「嘘つくんだ。俺に」
目を大きく開き、口元だけ緩めるお兄ちゃん。
怖い、怖い怖い。
「嘘って、なに?」
「約束、したよな??」
『俺以外の男とは喋るな』
頭にリピートされる言葉。
一方的な約束だが、それを受け入れたのは事実。
だが、今日のはしょうがないはず。
「で、でもっ。今日のはしょうがなくてっ……」
「しょうがなくても、約束は約束だよな?」
近寄ってくるお兄ちゃん。
なに、するの?
「俺以外の男とは口利くな、そうだよな?」
声や口は笑ってても、目が、笑ってない。
「なんで、破ったの?お仕置き、されたい??」
いやぁ……
「ねぇ、結菜」
「いやああぁああぁ!」