俺だけの愛しい妹
時を刻む針の秒針。
それだけが、響いていた。
床には散乱した服や下着。
軽い毛布だけで身を包むあたし。
横にはお兄ちゃん。
「ねぇ、結菜」
天井を見て、声だけで話しかける。
あたしは返事はせず、次の言葉を待った。
「今度約束破ったら、これ以上だからな」
震える体。
今すぐここから逃げ出したい。
怖い。
震える手を、お兄ちゃんは握ってきた。
「怖がらなくていいよ。俺がいるから」
お兄ちゃんに怯えているのだ。
優しく笑うその顔が
優しく言うその声が
全てが、あたしを狂わす。
もう、心も体も、ズタズタだった―――……