俺だけの愛しい妹
9:狂った媚薬
真っ暗な空間に、あたし一人。
泣き叫んでも、誰もいない。
助けてっ。
誰でもいいから、あたしを見つけて……
怖いよ、怖いよぅ……
そのときあたしを見つけだしてくれたのは、
お兄ちゃんだった―――……
今日は日曜日。
お兄ちゃんと出かける約束をしている日。
行き先は、遊園地。
「結菜、準備できた?」
その問いかけに
「うん」
とだけ言い、靴を履いた。
どちらかと言えば、行きたくない。
恐怖の塊でしかないお兄ちゃんとでかけるだなんて……
だけど、家で二人きりになるよりは、人がたくさんいるとこへ行ったほうがいいのかもしれない。