俺だけの愛しい妹
おかしいのかもしれない。
兄と妹が体を重ねて、それなのにこうやって外出。
きっと、好意で体を重ねたなら、こんなの平気だろう。
だけど、一方的な好意であって、“行為”。
あたしは、ただ苦痛でしかなかった。
それなのに、肩を並べて歩いているということは、あたしは結構なもんかもしれない。
こんな関係で、あたしはそう思った。
遊園地へと着くと、人は溢れかえり、フリーパスを買うのも1時間くらいかかった。
係の人に渡し、ゲートをくぐる。
「結菜、どれ乗りたい?」
どれでもいい。
これが本音。
だけど、またお兄ちゃんを悲しませたくない。
嫌いだけど、怖いけど、だけど、せっかくあたしのためなんだもん。
「じゃぁ、あれ」
あたしは絶叫系を指さした。
少し苦笑いをするお兄ちゃんを見て、なぜか笑ってしまった。