俺だけの愛しい妹

「おもしろかったね」

自分からそう言えた。

前までは、これが当たり前で、普通だった。

だけど、今となっては普通じゃなく、意外に似たことになってしまった。


「そうだな」

笑ってくれたお兄ちゃん。

なぜかホッとしてしまう。


今日ぐらいは、いいよね。

お兄ちゃんに普通に接しても……




それからも、たくさん乗った。

そのときだけは、前みたいな仲のいい“兄妹”になれていた。



お兄ちゃんがあたしを犯したのも、嫌いだとか、憎いからじゃない。


愛しさ故の行動。

それが、あたしには怖かった。


“妹”としてじゃなく、一人の“女”としてみられいた。


それも、ずっと前から。


あたしは、ただお兄ちゃんとしか、思っていなかったのに。



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