俺だけの愛しい妹
10:愛しすぎたために

電車から降り、改札を出る。

「なにか、食べていこうか?」

あたしは頷いた。

無意識だと思う。

耳になにも入ってこない。


「なにが食べたい?」

「なんでもいい……」

本当のこと。

ただ本当のことを言っただけなのに。


またお兄ちゃんは悲しそうな顔をする。

その理由はわかる。

だけど、もう嫌だよ……



少し人通りの少ないとこへと入っていく。

ただそれについていくあたし。


「どこ行くの?」

疑問に思ったことを聞いた。

「ご飯食べに行くんだよ?」

笑って答えられた。

違う。

なにかたくらんでる。


怖い。


< 79 / 98 >

この作品をシェア

pagetop