俺だけの愛しい妹
10:愛しすぎたために
電車から降り、改札を出る。
「なにか、食べていこうか?」
あたしは頷いた。
無意識だと思う。
耳になにも入ってこない。
「なにが食べたい?」
「なんでもいい……」
本当のこと。
ただ本当のことを言っただけなのに。
またお兄ちゃんは悲しそうな顔をする。
その理由はわかる。
だけど、もう嫌だよ……
少し人通りの少ないとこへと入っていく。
ただそれについていくあたし。
「どこ行くの?」
疑問に思ったことを聞いた。
「ご飯食べに行くんだよ?」
笑って答えられた。
違う。
なにかたくらんでる。
怖い。