俺だけの愛しい妹

「ちょっ、ちょっと戻ろう?」

「なんで?お腹すいてないの??」

そうじゃない。

「こんなとこに食べるとこなんて―――」



「菊池??」―――……


声がした方へと顔を向けた。

立っていたのは


「田口……」

なんで、ここに?

「なにしてんの?」

そう聞かれても、隣にはお兄ちゃん。

なにも言えない。

「もしかして、彼氏?」

田口に聞かれ、否定しようと思ったのに

「そうだよ。君は??」

え?

違う。

「ちがっ―――」

「ただのクラスメイトです」

遮られた。

聞いてっ。

あたしは、あたしはっ!


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