俺だけの愛しい妹
「結菜……。結菜も死んじゃうよ?」
このさい、どうでもよかった。
あたしがどうなろうと。
お兄ちゃんを止めたかった。
誰かが危ない、とかそんなことより、ただお兄ちゃんを―――……
「結菜、どうして俺を止めるの?」
結菜のためだよ?そう言わんばかりの平然とした台詞。
「どうして?俺のこと嫌い??」
嫌いとか、そんなんじゃなくてっ。
「今まで結菜のために尽くしてきたじゃないか」
それは、“兄”として?ひとりの“男”として??
「俺と結菜だけの環境もつくった」
……え?
どういうこと??
「母さんも父さんもいなくなって、俺と結菜だけになったじゃないか」
なに言ってるの?
お兄ちゃん……
「結菜のことを好きって言ったら、二人とも邪魔をした。だから……」
だから―――??
「だから、消した」―――――……