俺だけの愛しい妹
救急車や、パトカーのサイレンと音が鳴り響く。
そう思ったら、家に何人もの警察が入ってきた。
そして、お兄ちゃんも運ばれていった。
あたしはその光景を、ただ見つめていた。
「もう大丈夫だ……」
警察や救急車は、田口が呼んだだろう。
もう、終わった?
お兄ちゃんが倒れていた、血が広がっている所を見つめた。
「あたしが、お兄ちゃんをっ……」
「違う。あれはしょうがなかったんだ。お前はああするしかなかったんだ」
そう言って田口はあたしを抱きしめた。
あたしは田口の胸の中で泣いた。
「お前は、俺が守るから」
田口が言ってくれた言葉を、あたしは素直に受け止めた。