笑顔
 




佳織が死んだと聞いたのはその次の日だった。
全てが突然。なにもかも、当たり前のように処理速度が追い付かなかった。


「えー…こうやってみんなに集まってもらったのは、うちの学校の2―2佐野佳織さんが、昨日不慮の事故で…亡くなりました」


ざわめきだす体育館内。
泣き出す子もいれば、人事のように可哀相と呟く奴もいる。


雑談が多くなってきた頃担任が話を止めさせにきて体育館内は、また静まり返った。


「友達との遊びの帰りに、多発している通り魔に襲われたらしく、今警察が調べているそうだ。」



…信じたくない。んなこと…。信じろってほうが無理だ。だって、昨日まで一緒にいたんだぞ? 家の近くの曲がり角まで送ったんだ。




ああ、なんで家の前まで送らなかったんだ…?
俺が、俺が、




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