†Diary†
「でも、あいつ年下キラーだから気をつけなね。」

一通り特徴を聞いた後のその一言に、なぜかドキッとした。

その後すぐに「裕梨は付き合ってるから心配ないか」って先輩はさらっと流したけど、私はその言葉が頭から離れなかった。

何かを期待してた自分と、それは有り得ないと惜しい感じがした自分。
たしかにそういう変な感情が瞬時に胸の中を渦巻いていた。

「じゃあ、カギ頼んだね!
掃除手伝えなくてごめんね。」
お互い別れを惜しみつつ、美嘉先輩は爽やかに去っていった。


掌にチリンっと鈴のキーホルダーが転がる。

「仁先輩か。
いつ、会うか分からないもんね‥。」

そう言い聞かすように、そっとポケットにしまった。

私はその日から、お守りのようにそのカギを持ち歩くようになった。

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