君ヲ想ウ

一度、彼女に問われたことがある

悩んでいるのなら話してほしい

そう言ったときだった


「だって、話して何が変わるの?
なにか、変わるの・・・?」

責めるわけでもなく
その口調はただ、不思議そうに

「一緒に悩むことができる。
僕は君と悩みを分け合いたい。」


彼女は目を臥せていた

それは僕の言葉を
反芻して考えている仕草だ
僕はただ
彼女の答えを待つしかなかった



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