ドルチェ
人だかりを掻き分け、クラス分けの表が見えるところまできた。


「せーので見ようね?」


私の言葉に、ミサとは無言で頷く。


「…いくよ…。せーのっ」


2人同時に顔を上げて、1つ1つ名前を確認していく。


「あった」


先に口を開いたのは美里。


「あ、私も」


少し後に私も見つけた。


1-5 杉内 あい


視界に見慣れた小原美里の名前―…
隣の4組に美里の名前はあった。


美里も私の名前を5組で見つけたのか、少し沈んだ表情を見せた。


数分前につないでいた手は、いつのまにか、自然と離れていた。
< 4 / 27 >

この作品をシェア

pagetop