ドルチェ
教室に一人、若い男の先生が入ってきた。


後ろから汐奈が凄い速さで肩を叩いてきて耳元で｢超イケメン｣と嬉しそうに呟いて、私が頷くのを確認したらしく肩を叩くのを止めた。


その先生は、先生なのにちょっと先生らしくないような雰囲気を持っている。


少し明るめの茶色の髪を首の半分くらいまで伸ばしていて、サイドは耳より少し長め。
前髪は目の下くらいの長さを軽く流してあって、トップをワックスで無造作にスタイリング。
肌は少し小麦色で、切れ長で二重まぶたの綺麗な目。すっと通った綺麗な高い鼻。整った唇。細い顎。高めの背。
そこらの芸能人よりかっこいいんじゃないかと思うくらいの容貌。


周りを見渡すと、女の子達が先生に目が釘付けになっている。


ちらっと後ろを見ると、汐奈も同じように釘付けになっている。


先生は教卓に出席簿を置いて、前髪をかき上げると黒板に文字を書き始めた。
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表紙・目次

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