ドルチェ
ごつごつした男の人の手。先生の一部でも目に入る度に胸が跳ねるようで、なんとなく恥ずかしい。
“桜田 雄一”
かくかくした男らしい字。
「1-5の担任になった、桜田 雄一(さくらだ ゆういち)です。
これから一年間よろしくな」
耳に心地良い、ハスキーな声で自己紹介すると、女の子達が忙しく手ぐしで髪を整えたり、イスにもう一度座りなおしたり、落ち着きがなくなっていた。
そんなのことを気にしていないのか、気づいていないのか、先生が再び口を開いた。
「あっ!俺、このクラスが初めてなんだ。担任持つの。だから、なんか良くないと思うことがあったら遠慮しないで言ってくれな。
それで…えーっと…。入学式が10時15分からあるんだけど、特にコレといって難しくはないから。立ったり座ったりの繰り返しだから。
うーんと、まだ時間があるし、自己紹介しようか。じゃ、出席番号順に1番の青木から」
私は12番だから…
すぐ。
助けを求めようと汐奈のほうを向くと赤くなってぽーっとしていてまともではない。
諦めて前を向くときに、汐奈の隣の小谷漣と目が合った。
なんとなく気まずくて、目を逸らすと、ちょうど私の隣の席の人の紹介が始まった。
“桜田 雄一”
かくかくした男らしい字。
「1-5の担任になった、桜田 雄一(さくらだ ゆういち)です。
これから一年間よろしくな」
耳に心地良い、ハスキーな声で自己紹介すると、女の子達が忙しく手ぐしで髪を整えたり、イスにもう一度座りなおしたり、落ち着きがなくなっていた。
そんなのことを気にしていないのか、気づいていないのか、先生が再び口を開いた。
「あっ!俺、このクラスが初めてなんだ。担任持つの。だから、なんか良くないと思うことがあったら遠慮しないで言ってくれな。
それで…えーっと…。入学式が10時15分からあるんだけど、特にコレといって難しくはないから。立ったり座ったりの繰り返しだから。
うーんと、まだ時間があるし、自己紹介しようか。じゃ、出席番号順に1番の青木から」
私は12番だから…
すぐ。
助けを求めようと汐奈のほうを向くと赤くなってぽーっとしていてまともではない。
諦めて前を向くときに、汐奈の隣の小谷漣と目が合った。
なんとなく気まずくて、目を逸らすと、ちょうど私の隣の席の人の紹介が始まった。