年下彼女。
亜姫がソファから立ち上がった。
そして、ソファに座りっぱなしの俺の近くに、座る。
彼女の冷たい両手が、俺の両手を優しく包み込む。
「あたしが実咲さんだったら。
巧は何を言う?
あたしに・・・何を言う??」
彼女の目は、真っ直ぐだった。
俺はそっと目を閉じる。
それからふぅっと息を吐いた。
もしも亜姫が実咲だったなら。
目の前に、実咲がいるとしたなら。
何を言う??
俺は、何を・・・。
「・・・ごめん」
絞り出すような声で、そう呟いた。
想いを言葉に出した瞬間、俺の目からは涙が零れ落ちた。