年下彼女。
「守ってやれなくて、ごめん。
俺があの日、お前をドライブに誘わなければ・・・事故なんておこさずに済んだんだ。
お前と赤ちゃん・・・守ってやれなくて・・・俺が死ぬべきだったのに・・・」
俺の手が、少しだけ持ち上がる。
亜姫の・・・実咲の頬が、そっと手に当たった感触がした。
「私は、そんなこと思ってないよ・・・」
俺の手に、水のようなものが零れ落ちた。
「だって・・・巧はいつだって私を大事に思ってくれた。
私は、巧のせいだなんて微塵も思ってないよ」
涙が、こぼれる。
目の前にいるのは亜姫だ。
分かっている。
分かっているけれど・・・その口調はあまりにも実咲に似すぎていて。
俺はもう一度実咲に逢えたような気がした。