年下彼女。
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「先生ーっ!!この問題分かんないーっ!!!!!」
一組の女子が授業後、俺にノートを持ってきながら言った。
少し、甘ったるい声。
メイクばりばりしてます、って顔。
まさに現代風の女子中学生だ。
正直、俺の苦手なタイプ。
このやり取りで分かったと思うけど、俺の職業は「中学生教師」。
ちなみに数学専門。
・・・頭悪そうなのにって、よく、意外な顔をされる。
「どこがわかんねぇんだよ」
「ここ!!ここ!!」
その女子は、俺に体をぴたりとくっつくかせてから、ノートを指差した。
香水のにおいが、俺の鼻をさす。
これはもう、香水の“匂い”じゃなくて“臭い”だ。
香水って、使い方しだいで凶器になる。
俺が教師をはじめて学んだことだ。